【政治・経済を選択すべき3つの理由】
どうもminiいけ先生です。
社会科は日本史・世界史・地理・現代社会(2022年に「公共」へ変更)・政治経済・倫理・倫理政治経済があります。
この中でも政治経済はマイナーな科目ですが選択をした方がいいと断言できます。
それは公民の講師だからではなく、自らも学んでいいことがたくさんあったからです。
政治経済のメリット、デメリット、選択すべき理由を解説したいと思います。
この記事でわかること
- 政治経済を選択するメリット
- 政治経済を選択するデメリット
- 政治経済を選択すべき理由
政治経済を選択するメリット
- 実用的な学問であること
- 暗記量が少ない
- 私立入試は問題傾向が似ている
政治経済は実生活に即した学びを得ることができます。
しっかり学ぶことができれば、普段のニュースでみる報道の見方も変わりますし、自分の資産形成にも大きな影響があります。
「見える世界が変わる」「進路選択の土台になる」といった魅力のある科目です。
暗記量が少ないぶん理解を大切に
受験においての最大のメリットは、地歴よりも暗記量が圧倒的に少ないことが挙げられます。
教科書のぶ厚さ・用語集のぶ厚さを比較してもらってもすぐに分かると思います。
歴史はとにかく覚えることが多い。人物名や事件名はクリアできますが、年号や文化史などは非常に覚えにくく、正誤判定問題などはかなり細かい知識が要求されます。覚える量が膨大になるので勉強する時間も多く費やさなくてはなりません。受験直前の追い込み期には、膨大すぎて途方に暮れることもあるでしょう。
地理はデータの読み取りや論理的思考力が必要でどちらかと言えば理系に向いている科目とされています。出題傾向が読みにくく、高得点が狙いにくい傾向にあります。
政治経済は用語の暗記というより、仕組みの理解といった側面が多い科目で直前の巻き返しには最も適しています。
私立大学入試は傾向が似ている
私立大学の政経を多く解いていると「あれ?これ違う大学でも見たな」と感じることが多くあります。
世界史や日本史と違って範囲が狭く、暗記量が少ないぶん傾向が似てくるのかもしれません。
そのぶん対策もしやすく、頻出事項も分かるので下のような動画を作成することができます。
実際に2022年度の入試でも多く出題されていました。コメント欄でも受験生からそのような声が多く聞かれます。
入試問題の過去問は愛のあるメッセージを出していると思います。
そのメッセージを研究するのは教師や講師だけでなく、実際に問題に対峙する受験生が一番やるべきことだと思っています。
各大学の入試問題に多く触れて研究してみましょう。
政治経済を選択するデメリット
- 政治経済が学校の授業で開講されていないところがある
- 私立大学で受験できない大学がある
- 共通テストの平均点が低い
政治経済が「選べない」!?
高校の「政治経済」は文科省の設定する必修科目ではありません。
「政治経済」と似た科目である「現代社会」が必修科目になっていて、多くの学校では「現代社会」が採用されています。
この「現代社会」も高校1年生でやってしまう学校もあれば、高校3年生で申し訳程度に終わらせている学校もあります。
政治経済に特化した先生も少なく、歴史や地理の先生が兼務することも多くあるのが実態です。
実際に公立の教員採用試験でも高校公民の募集は少なく、倍率も高くなっていた記憶があります(もう何年も前の話しなので正確かは不明)。
ゆえに、学校でも選択科目として開講しないというところもあります。
開講されない科目を選んで独学する時点で不利だなと思う受験生も多く、選択が敬遠されがちです。
2022年度からは現代社会に変わって「公共」という科目が新設されます。
共通テストでは「公共」「倫理」「政経」それぞれ単体での受験ではなく、「公共+倫理」か「公共+政経」かの選択になります。
ここらへんはすごく複雑なので別記事で紹介したいと思います。
要は共通テストにおいては「政治経済」の単独受験というのはなくなるということです。
政治経済を受験科目で設けていない私立大学
慶應義塾大学・早稲田大学の文学部/文化構想学部/政治経済学部/国際教養学部・上智大学・津田塾大学・関西学院大学・甲南大学などが挙げられます(2022年2月現在)。
これらの大学を志望する人たちは十二分に気をつけて下さい。
国公立大学では政治経済を二次試験で使える大学は東京学芸大学・高崎経済大学・信州大学・神戸市外国語大学の4つだけです(2022年2月現在)。
共通テストで平均点が低い
上の表はセンター過去平均点と共通テスト2021年第1日程、2022年本試の全国平均点です。
初の共通テストが実施された2021年の政治経済の問題は非常に難易度が高く、倫理との得点差も大きかったため得点調整が実施されたほどです。
上の表だけ見ると、政治経済は平均点だけ見ると圧倒的に不利な科目に見えます。しかし、これには理由があります。
それは難関国公立が公民を課す場合「倫理・政治経済」を要求するため、成績上位層の受験が多いからです。
それに比べて、「政治経済」を受験する人たちは地方国立大学や私立の共通テスト利用などを目的にすることが多く、相対的に点数が低くなってしまいます。
2022年の共通テスト政治経済の難易度は2021年と比較するとそこまで高くなかったと思います。
平均点だけで選択を考えるのはもったいないと考えています。
それでも政治経済を選択すべき理由
主体的に生きるために
政治経済は現代社会の土台となるすごい知識の集まりです。
私たちは日本という資本主義社会で生きています。
政治経済は「生きていく中で必要」な学問です。
ただ、大人でもその重要性を感じている人が少ない気がします。
「勉強しなくても生きているけど?」
では、必要がないってことかと思う人もいるかもしれません。
詳しく言うと「主体的に生きていくためには必要」です。
現代の日本人は管理されたい人が多すぎる。
これは堀江貴文氏がおっしゃった言葉です。これには私も大変共感しました。
学校の勉強でレールの敷かれた上を走り、社会人になっても上から言われたことを粛々とこなす…
それが現在の日本の衰退を招いたとも言えるし、仕事を楽しいものと捉えられず、苦役にした要因だと思います。
人生を豊かにする学問
私たちは資本主義社会の中で生きています。物事を決めていくための政治やお金がどのように回るのかという経済の構造、基本ルールを知らないと圧倒的に不利です。
慶應大学の創設者で日本を代表する人物に福沢諭吉がいます。
彼は実学の重要性を説きました。実学とは実生活に役立つ学問のことです。
たとえばニュースを見たときに、今までは芸能ニュースやスポーツニュースを見てたのが、政治経済を勉強することで「あ、分かる!」となって政治のニュースを見れば経済のニュースにつながっていきます。
そうすると入ってくる情報も変わり、入ってくる情報が変われば見える世界が変わります。
見える世界が変われば、新しい発見にもつながり「こうしたらいいんじゃない?」という提案も生まれます。
問いや提案は新しいビジネスに繋がります。
高校生に一番学んでほしい学問だし、高校生の柔軟な発想なら新しいビジネスがどんどん生まれると思っています。
想像力を働かせ、主体的に考えて行動することは本当に楽しいことです。
政治経済を学べば、人生が豊かになる!というのは大げさではありません。
私も職業柄、政治経済を教えるプロとして日々ニュースや入試問題に触れているのですが、その知識を駆使して投資やビジネスを展開しています。
学べば学ぶほど見える世界が変わり、毎日が楽しいです。変化する世の中を体感できます。
単なる受験科目というだけでなく、将来に繋がるものなので是非学んでほしいと思っています。