【お金とは?お金の役割について】

経済分野

どうもminiいけ先生です。
私たちが普段使っているお金。
お金の役割や機能ってどのようなものなのか考えたこともないですよね。

資本主義経済で生きていくうえでお金は必須です。

お金と上手に付き合うことができれば、より豊かな生活が送れるようになるでしょう。

高校経済分野でお金のキホンから学んでいきましょう!

この記事でわかること

①お金の4つの機能について
②経済においての「信じる」という行為の大切さ

解説動画はこちら【「お金」って何だろう?】

お金の4つの機能

お金の役割は4つあります。

  1. 交換手段
  2. 価値尺度
  3. 支払手段
  4. 価値貯蔵手段

お金の役割1つ目は「交換手段」です。
貨幣が財・サービスの中立ちとなります。

わざわざモノ自体を持っていかなくても、貨幣で交換することができるので非常に便利です。

お金の役割2つ目は「価値尺度」です。
価格という貨幣単位に置き換えることで共通の尺度(モノサシ)にできるわけです。
例えば、山に住んでいる人だったら魚の希少価値が高い。海に住んでいる人だったらキノコとかの希少価値が高い。
それぞれ価値尺度が異なっていたので、貨幣ができた結果、尺度・単位が決められたので共通理解がしやすくなったということです。

上記2つの役割はその特徴から本源的機能ともいわれます。

お金の役割3つ目は「支払手段」です。
取引の決済に用いられます。
国民に対して納税を課して、法律で定めた通貨を「納税手段」として定めます。
これで国民にとって法定通貨が「納税義務の解消手段」としての価値をもつことになります。

お金の役割4つ目は「価値貯蔵手段」です。
欲しい資産を保存し蓄えることができる
ようになりました。
魚とか肉だったら無理だったのが、貨幣というものができた結果、保存し蓄えることができるようになったのです。

支払手段と価値貯蔵手段は本源的期のから派生した機能だと考えられています。

この4つの役割は試験で頻出なのでポイントです。
お金の役割は他にも金利の獲得や投資に用いられる「資本」としての機能や国内外に価値を輸送する手段として「価値輸送」の役割も果たしています。

牛乳瓶のフタの経済学

佐藤雅彦・竹中平蔵,『経済ってそういうことだったのか会議』,日本経済新聞社で「お金の役割」についてわかりやすく説明されていたので解説をしておきます。

 

小学生の時ってね、給食で牛乳って配られますよね?
miniいけ先生が小学校の頃はまだ紙パックじゃなくて牛乳瓶だったんですけど、その牛乳瓶のフタ集めてメンコにしたりして遊んだんですが、みなさんの学校ではどうでしたか?それはさておき、とある学校のサトウ君と言う少年がこの牛乳瓶のフタをある時から集めだして、皆のをもらって机に入れて保管していました。
すると、「俺も集めるぞ」って子が出てきて周りで流行り始めたんです。

流行り始めるとフタの価値がどんどん上昇していきます。
サトウ少年は隣のクラスに行ってもらったのですが、そのうちその隣のクラスでもフタに価値が芽生えだして、「嫌だ。もうあげないよ」となりました。

ただサトウ少年は最初に牛乳瓶のフタを集めていたから、たくさん持っていました。
そして「傷もののフタ10枚と新しいの1枚と交換ね」とか、隣町の牛乳屋さんまで行ってそこの「珍しいフタ1枚と20枚を交換ね」みたいなことをしていました。
1学年全部のクラスにまで行ってやり取りをするようになったんです。

そんなことをしている内に「フタの大富豪や!」ってなっていくわけです。
この学校では牛乳瓶のフタに価値が芽生えているので「価値貯蔵手段」となっているのです。フタを蓄えているサトウ少年は富豪です。

そしてこの学校では「フタ10枚でかっこいい消しゴムと交換ね」などのルールもできました。
これはまさに「交換手段」の役割です。

また、「フタ 20枚で掃除当番を交代ね」といったことも行われました。
掃除当番という行為が牛乳瓶のフタ20枚で図られているので「価値尺度」の役割を果たしています。
さらにサトウ少年は東京の親戚の家に「牛乳瓶のフタ送ってくれない?」と言って、送ってもらったら皆の目が「おおすげー」と輝くわけです。

ところが1ヵ月ぐらい経ったある日、クラスの誰かが「どうだ、すげえだろ」と言って大量の真新しいフタを何百枚も詰めて教室に持ってきたんです。
牛乳屋さんに親戚がいたらしいですね。

これを見たとたん、少年少女の中で何かが失われた。
まぁ一言で言ったらフタの価値というものを見出せなくなっていったということです。

それを境にあれほど大切にしていたフタが教室の隅にポツポツと落ちるようになりました。
学校において、牛乳瓶のフタの熱のようなものが急激に覚めてしまいました。
牛乳瓶のフタがただの紙切れになったということです。

この話は、本当の経済でも起きる可能性のあることです。
牛乳瓶のフタの経済学では、お金とは「信じる」という行為で成り立っていることがよく分かりました。

関連記事はこちら【貨幣のはじまりは物々交換か?信用か?】
信用貨幣・国定信用貨幣について解説しています。「信じる」という行為が貨幣の根源になったという考え方です。

通貨は「信じる」ことで成り立つ

世界で1番信じられている通貨がアメリカのドルです。
世界の基準となる通貨ということから、基軸通貨と言われます。
主に日本人が信じているのが日本の円です。上の写真は先生のコレクションです。
板垣退助の100円札とか伊藤博文の1000円札とか岩倉具視の500円札とか非常にレア物ですよ。先生は海外旅行の行先の通貨を残してるのですが、代表的なものが上の写真のものになります。
インドのルピー(左上)、台湾の台湾ドル(右上)、韓国のウォン(左)、アジア通貨危機のときに叩き売られたタイのバーツ(右)などがありますね。

左下と右下はカンボジアドルなのですが、こちらはまったく信用されていません。
現地の人すら信用していないので、カンボジアではカンボジアドルで支払いをしようとすると嫌な顔されます。「アメリカのドルをくれ!」って言われます。

信用が崩れた瞬間に、ある日突然その通貨の価値が失われることがあります。
これをコンフィデンス・クライシスといいます。
コンフィデンス・クライシスの象徴が上記の写真の100兆ジンバブエドルです。
通貨が暴落しすぎてハイパーインフレーションを起こしています。

最近出現した「仮想通貨」も皆が信用することによって成り立っています。
利用者による仮想通貨自身への信用によってのみ価値が保証されていて、皆がほしい、皆が信用したらその仮想通貨の価値は上がっていきます。
国の政策などで価値の変動はしません。国定信用貨幣ではない新しい通貨です。

通貨も時代によって変わってきていますが、その根底は「信じる」という行為なのですね。

お金って面白い!

 

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